フランスで人気の職業⑤:「獣医師」の仕事とは?なり方や資格、収入について解説!

フランスで人気の職業シリーズ第5弾、今回は「獣医師」をご紹介します。

ladepeche紙による2019年の調査では、獣医師の人気度は第5位。日本人の感覚からすると、だいぶ高く感じられますね。

獣医師がフランス人に人気の秘密はどこにあるのでしょうか?

医者よりも高ステイタス?フランスの獣医師はエリートの職業

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酪農を主要産業とするフランスでは、獣医師の社会的地位が高く、「人間の医者よりも上」と言われることもあるほどです。

資格取得後の収入も高く、希望者に対して合格者が少ないことから、エリート的な職業として認識されています。

フランスで獣医師になるには?

ここからは、フランスで獣医師になるまでのプロセスを見ていきましょう。

社会的地位が高く、高度な専門性が求められるため、日本よりも長い期間にわたる教育が施される点が特徴です。

フランスの獣医師学校は4校のみ!合格率15%の狭き門

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獣医師への道は、Preparation au Concours(獣医大学入学準備過程)が併設されているリセに進学するところから始まります。

獣医師大学入学資格認定試験である「バカロレア」を通過した後、この準備過程で2年間学ぶ必要があるため、どのリセでもいいというわけにはいきません。つまり、獣医師になりたい人は、遅くとも高校入学前には進路を決めている必要があります。

また、獣医大学への進学試験は2回しか受けられないため、3浪以上は許されないという厳しい環境です。獣医大学の合格率は約15%と、きわめて低い水準です。

獣医学を学べる大学は、全仏でたったの4校。準備過程を修了した学生は、この4校のいずれかに振り分けられ、4年間の大学生活を送ります。はじめの2年では基礎教育、あとの2年は臨床を含む応用教育が行われます。

国家試験は無し。研究論文考査をパスすることで獣医師に

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フランスには、日本の獣医師試験にあたるものはありません。

その代わり、大学卒業後に研究論文を執筆し、論文考査を通過することが求められます。獣医学の博士課程がないため、論文は地元の医学部あるいは薬学部に提出します。

論文考査を通過すると、「獣医学博士」のタイトルと免状を受け取ることができ、これをもって獣医師資格とみなされます。

フランスの獣医師は高収入!自営業部門では第5位にランクイン

2019年に非営利団体「Observatoire d’Inégalité」が行った調査によると、フランスの獣医師の月収は平均125万円程度でした。

これは医師や弁護士、薬局オーナーなどに次ぐ非常に高い水準で、自営業部門では全職業中第5位にランクインしています。

フランスの獣医師は競争率も収入もハイレベル

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フランスの人気職業のひとつである獣医師。大学の入学率や収入など、日本に比べて人気の高さがうかがえます。

将来、獣医師になるのが夢という子供を持つご家庭なら、遅くとも中学在学中から準備をしたほうがよさそうですね。

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