フランスに長期滞在する場合は、日本の運転免許証をフランスの運転免許証に切り換える必要があります。

切り換えの手続きができる期間は、フランスの滞在許可証を有効にした日から数えて１年間です。期間を過ぎると切り換えができなくなりますので、ご注意ください。

ここでは、運転免許証の切り換え手続きに必要な書類と、手続きの手順についてご説明します。

フランスの免許証に書き換える理由は？国際免許証との違いは何？

そもそも、「国際免許証で運転ができるのに、どうしてフランスの免許証に切り換える必要があるの？」と疑問に思う人もいるでしょう。

国際免許証は、フランスに限らずシェンゲン協定に加盟しているEU諸国などでも使用ができます。ただし、有効期限は1年間で、更新はできません。

また、たとえ有効期限内であっても、おおもととなる日本の免許証の有効期限が切れると、国際免許証の有効性も失われます。

フランスの運転免許証に書き換えた場合は、更新が可能。かつ国内での身分証明書としての役割も果たしますので、銀行口座の開設など、様々な場面で役に立ちます。

日本の運転免許証からフランスの運転免許証への切り換え

日本の運転免許証をフランスの運転免許証に切り換えることができるのは、学生・ワーキングホリデー（ワーホリ）を除く長期滞在者です。

留学中の人や、ワーホリで滞在している人は、国際免許証を使って運転することになりますので、ご注意ください。

具体的な手続方法を以下でご紹介します。

①在留届を提出する

フランスに入国したら、まずは在留届を提出しましょう。在仏日本大使館・領事館のウェブサイトから手続きができます。

在留登録がされていないと、②で紹介する「運転免許証の有効性に関する書簡」を取得することができませんので、忘れずに登録してください。

②大使館で「運転免許証の有効性に関する書簡」の発行を申請する

最寄りの在仏日本大使館あるいは領事館で、「運転免許証の有効性に関する書簡」を発行してもらいましょう。
発行までの所用日数はおよそ３日、手数料は無料です。

この書類があることで、日本の免許証が有効であるという証明ができるようになります。

申請に必要な書類は以下のとおりです。

• 日本の運転免許証の原本（有効期限内であること）
• 申請書（窓口で入手できます）
• パスポートの原本
• フランスの滞在許可証
• 日本の運転免許証の有効性確認が必要であることを示す資料（県庁・市庁ウェブサイトの、必要書類のリストをプリントアウトしたものなど）

本人による申請が原則ですが、やむを得ない場合は、代理人による申請も可能です。代理人に委任する場合は、本人が記入した申請書と、委任状が必要です。

手数料や手続き方法は変更の可能性がありますので、日本大使館のウェブサイトで確認してください。

③大使館で日本の運転免許証の法定翻訳を申請する

②の手続き時に、日本の運転免許証のフランス語訳の申請も行うと効率的です。

大使館・領事館で作成を依頼しない場合は、フランス国内に住む指定の翻訳家に依頼することも可能です。

発行までの所用日数は約3日。手数料は16ユーロ（2020年現在）で、書類の受領時に現金で支払います。

申請に必要な書類は以下のとおりです。

• 申請書（窓口でも取得可能）
• 日本の運転免許証の原本（有効期限内であること）
• パスポートの原本
• フランスの滞在許可証（申請中の場合は入国ビザ）
• 写真1枚（縦4.5cmX横3.5cm）

遠方に住んでいる場合は、郵送での申請も可能です。受領は来館のみとなりますので、注意しましょう。

手数料や手続き方法は変更の可能性がありますので、日本大使館のウェブサイトで確認してください。

④県庁・市庁で運転免許証の切り換えを申請する

運転免許証の切り換え手続きは、最寄りの県庁・市庁で行います。

ウォークインは受け付けてもらえないので、申請を行う県庁・市庁のウェブサイトから事前にオンライン予約を行ってください。

オンライン予約が完了したら、必要書類を揃え、指定の日時に訪庁しましょう。

手数料は無料、申請から発行までの期間は決まっていません。

必要書類のリストは以下のとおりです。

• 申請書：Cerfa n° 14879*01　https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/R31381
• 申請書：Cerfa n° 14948*01 　https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/R32666
• 日本の運転免許証の原本とコピー
• 日本の運転免許証の仏語翻訳
• 運転免許証の有効性に関する書簡
• パスポートの原本とコピー
• 居住証明書（3ヶ月以内に発行された、水道や電気、銀行等の支払い明細書。友人等の自宅に滞在している場合は、家主による滞在を示す手紙、家主のCarte d’identitéの原本とコピーを添付）
• フランスの滞在許可証
• 写真4枚

申請当日に、運転免許証切り換え申請中の証明書（attestation de dépôt permis de conduire）が発行されますので、それを携帯すれば運転が可能です。

フランスでの生活を始めたら、早めに運転免許証の切り換えを！

フランスの滞在許可証を有効化してから1年以内に運転免許証の切り換えを行わなかった場合、自動車教習所に通って、一から運転免許証を取りなおすことになります。

高額な教習代がかかってしまいますので、フランスでの生活が落ち着いたら、なるべく早めに免許証切り換えの手続きを行いましょう。