フランスの空港5つを徹底解剖!市内へのアクセスやターミナル情報も紹介
Travel | 2020-07-09
大多数の日本人にとって、フランス旅行の入り口となるのが国際空港でしょう。今回は、人気の主要5都市にある空港情報をご紹介します。
市内へのアクセス方法や、ターミナル情報、レストラン・ショップ・お土産情報なども徹底解剖。旅の始まりと締めくくりに、ぜひ役立ててくださいね。
パリの国際空港
シャルル・ド・ゴール空港
パリで最も大きな国際空港であるシャルル・ド・ゴール空港(CDG)。日本とパリをつなぐ航空便の大半がシャルル・ド・ゴール空港を発着します。
ヨーロッパでも随一の規模を誇り、ターミナルの広さやレストラン・ショップの数もフランス国内で最大。いざ旅行の際に迷ってしまわないよう、あらかじめ情報をチェックしておきましょう。
ターミナル情報
シャルル・ド・ゴール空港には、3つのターミナルビルがあり、第1ターミナル(Aérogare 1、CDG1)・第2ターミナル(Aérogare 2、CDG2)・第3ターミナル(Aérogare 3、CDG3)と呼称されます。
各ターミナルビル内には、さらに細かく「ターミナルA」「ターミナルB」などが存在しますので、注意しましょう。
日本からのフライトの場合、全日空(ANA)は第1ターミナル、日本航空(JAL)は第2ターミナルに到着します。
航空会社からターミナルを検索したい場合は、パリ空港の公式HPをご参照ください。
第1ターミナル
ANAを含むスターアライアンス加盟航空会社など、スカイチーム以外の国際航空会社の飛行機が発着します。
他のターミナルビルとは、「CDGVAL」というシャトルシステムで結ばれており、パリ市内とつながるPER(急行鉄道)-B線のロワシー・ポールC.D.G1駅へも、CDGVALを使ってアクセス可能です。
到着ターミナルは5階、出発ターミナルは3階。お土産用のショップやレストランは2階に、ANAのスカイラウンジは10階にあります。
第2ターミナル
エールフランスが加盟するスカイチーム系の飛行機や、JALの飛行機が発着するターミナルです。
CDGVALで他のターミナルにアクセスできるほか、PER(急行鉄道)-B線のロワシー・ポールC.D.G2駅と、TGV(高速鉄道)のシャルル・ド・ゴール空港駅が直結しています。
また、欧州各都市発着の路線を多く抱えることから、ロンドンとつながるユールスターの駅にも直結しています。
到着ターミナルは1階、出発ターミナルは3階。
JAL指定ラウンジである「エールフランスラウンジ」や高級ブランドの免税店は、手荷物検査後のターミナル2Eに集まっています。
シャルル・ド・ゴール空港から市内へのアクセス
シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内までは、鉄道やバス、タクシーあるいは空港送迎サービスなどで向かうことができます。
空港から市内までは距離があり、大都市ならではの治安問題もありますので、パリ初心者は安全性や快適性を重視して移動手段を選ぶといいでしょう。
ここでは、おすすめ度順に移動手段をご紹介します。
【おすすめ度☆☆☆】 空港バスで行く
パリ旅行が初めてではない人、荷物が少ない人には、コスパの高い空港バスが便利でしょう。空港から市内までノンストップで行くことができ、運賃は12~18ユーロと手ごろです。
パリ2区のオペラ座行きはロワシーバス、凱旋門やエッフェル塔方面に行くならル・ビュス・ディレクトのルート2、リヨン駅やモンパルナス方面に行くならル・ビュス・ディレクトのルート4を使いましょう。
ロワシーバスの運賃は13.7ユーロで、所要時間は目的地に応じて60~75分程度。ル・ビュス・ディレクトの運賃は18ユーロで、所要時間は45~70分程度です。
パスの運行時間は30分に1本ほど。パリ市内で渋滞にあう可能性もありますので、移動時間には余裕をもっておいた方がいいでしょう。
ロワシーバスは、シャルル・ド・ゴールの第1~第3ターミナルすべてに停留所があります。ル・ビュス・ディレクトは、第1・第2ターミナルのみに停車しますので、第3ターミナルを使う場合は注意してください。
バスのチケットは乗り場付近にある券売機のほか、乗車時にドライバーからも購入できます(ドライバーから購入の場合、表示運賃に1ユーロ上乗せ)。現金とクレジットカード(ビザ・マスター)の使用が可能です。
【おすすめ度☆】 Uberで行く
海外旅行での移動時に重宝するUberですが、シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内への移動に関しては、あまりおすすめできません。
というのも、正規の空港タクシーが定額制であるのに対し、Uberは従量制。相場は、一般的な乗用車サイズの車で、片道45ユーロ程度です。
なんとなく割安だろうというイメージで使うと、タクシー以上の運賃がかかってしまう場合も。しかも、タクシー用の優先車線を使うことができないため、渋滞に巻き込まれやすいというリスクもあります。
とはいえ、フランス語を喋れなくてもアプリ上で簡単に配車ができるのは便利。スーツケースが3つ以上など、大きな車でないと移動できない場合であれば、Uberを使うのがベストでしょう。
オルリー空港
パリの北側に位置するシャルル・ド・ゴール空港に対し、南側に位置するのがオルリー空港です。
日本発着の飛行機は就航していませんが、フランス地方都市への国内便や、ヨーロッパ諸国をつなぐ飛行機が多く発着します。
ターミナル情報
オルリー空港は2019年3月にターミナルの改装が完了し、オルリー1~4までの4つのターミナルができました。
オルリー1にはエールフランスやアリタリア航空、オルリー2にはエア・ヨーロッパとイージージェット、オルリー3にはエール・コルシカやエールフランス、オルリー4にはロシア航空、エーグル・アズール、アルジェリア航空などが発着します。
エールフランスは、目的地に応じてオルリー1か3の発着となりますので、要注意です。
オルリー空港から市内へのアクセス
オルリー空港からパリ市内へのアクセス方法としては、鉄道・バス・トラム&メトロ・タクシー&送迎サービスがあります。
【おすすめ度☆☆☆】 バスで行く
空港からパリ14区のデンフォール・ロシュロー(Denfert-Rochereau)駅をノンストップでつなぐ「オルリーバス」と、市内各所を経由する「ル・ビュス・ディレクト 1番線」が運行しています。
オルリーバスの所要時間は約30~40分、運賃は8.7ユーロです。チケットは乗り場付近の券売機のほか、ドライバーからも購入できます(ドライバーから購入の場合、表示運賃に1ユーロ上乗せ)。現金とクレジットカード(ビザ・マスター)が使用可能です。
ル・ビュス・ディレクトは、モンパルナス、ラ・モット・ピケ、エッフェル塔、トロカデロを経由してエトワール広場に終着します。所要時間は目的地によって30~70分程度、運賃は片道12ユーロです。
【おすすめ度☆☆】 タクシー・送迎サービスで行く
荷物が多い場合は、やはりタクシーが便利。第1・第2ターミナル、第4ターミナルの到着階を出たところに乗り場があります。
空港から市内への所要時間は約20~30分、運賃は左岸まで30ユーロ、右岸まで35ユーロの定額制です。
【おすすめ度☆】 RER(急行鉄道)で行く
RERを使う場合、まずは空港から「Orlyval(オルリーバル)」と呼ばれるモノレールに乗車します。RER B線のAntony(アントニー)駅までは9.3ユーロ、所要時間約6分。
RERの料金込みのチケットも売っていますので、市内まで一気に行きたい場合はそちらを購入しましょう。オルリーバル+RERの乗車料金は12.5ユーロです。
アントニー駅でオルリーバルを降りたら、RERのB線に乗り換えましょう。パリ市内のChâtelet(シャトレ)駅までは約40分程度、12.10ユーロで到着します。
オルリー空港からパリへのRER車内も、決して治安がいいとは言えません。スリや置き引きに注意し、スーツケースからも手を離さないように注意しましょう。
【おすすめ度☆】 トラム&メトロで行く
コストを抑えたいなら、トラムとメトロの乗り継ぎでも市内まで出ることができます。
まずは、ターミナル4からトラムの「Aéroport d'Orly(アエロポート・ドルリー)」駅に向かいましょう。チケットは券売機で購入できます。
トラムで「Villejuif Louis Aragon(ヴィルジュイフ・ルイ・アラゴン)」駅に到着したら、地下鉄7号線に乗り換えます。
運賃は2.74ユーロ(メトロカルネ2枚分)程度。所要時間は60分程度です。ただし、通過する駅の治安があまりよくなく、スリや置き引きも多発するため、初心者にはおすすめできません。
リヨンの国際空港
リヨン・サンテグジュペリ空港
フランス第2の都市リヨンにある国際空港が、サンテグジュペリ空港です。日本からの直行便はないものの、ヨーロッパ各国からの国際便が多く就航しています。
『星の王子様』の著者であるサン=テグジュペリがリヨン出身であったことが、空港名の由来です。
ターミナル情報
サンテグジュペリ空港には、3つのターミナルがあります。
ターミナル1
エーグル・アズールやブリティッシュエアウェイズ、オーストリア航空などが発着します。
ターミナル2
エールフランスやKLM、ルフトハンザ航空など、日本人にもなじみの深い航空会社の飛行機が発着します。
ターミナル3
イギリスの格安航空会社・イージージェットの飛行機が発着。
ターミナル2がもっとも新しくて大きく、ショップやレストランも充実しています。
リヨン空港から市内へのアクセス
空港からリヨン市内へ行くには、高速トラムの「Rhonexpress(ローヌ・エキスプレス)」か、タクシー&送迎サービスかの2択になります。
ローヌ・エキスプレスはサンテグジュペリ空港とLyon Part-Dieu(パールデュー)駅をノンストップで結んでおり、所要時間は約30分程度です。
片道料金は通常16.10ユーロ。事前にオンライン購入すると、14.90ユーロになります。
タクシーで移動する場合、市内中心部までの所要時間はおよそ30分程度。料金は時間帯によって変動しますが、日中で約50~55ユーロです。
プロヴァンスの国際空港
マルセイユ・プロヴァンス空港
日本人観光客にも人気の南仏プロヴァンス地方。マルセイユ・プロヴァンス空港は、フランス第4位の搭乗者数を誇る、南仏の玄関口です。
パリから約1時間15分ほどで旅することができ、毎日28便が運航しています。
ターミナル情報
マルセイユ・プロヴァンス空港には、2つのターミナルがあります。
ターミナル1にはルフトハンザ航空など、ターミナル2にはエールフランスやKLMが発着します。
どちらのターミナルにも、ショップやレストランなどは多くありません。お土産の調達を考えている人は、過度に期待しない方がいいでしょう。
マルセイユ市内へのアクセス
マルセイユ市内へ向かうには、空港バスの利用がベストです。
バスの停留所は、ターミナル1とターミナル2の中間にあり、マルセイユ市内のサン・シャルル駅に向かう50番のバスは、6番乗り場から発車します。
所要時間は約25分、料金は片道10ユーロです。
エクス・アン・プロヴァンス市内へのアクセス
エクス・アン・プロヴァンス市内へ行く場合も、バスの利用が便利です。
空港バス停留所の7番乗り場から、40番のバスに乗りましょう。TGV(高速鉄道)のエクス駅を経由して、エクス・アン・プロヴァンスのバスターミナルまで乗り換えなしで到着できます。
料金は、エクスTGV駅までなら4ユーロ、エクス・アン・プロヴァンス駅までは10ユーロ。エクス・アン・プロヴァンス駅までの所要時間は約35分です。
コート・ダ・ジュールの国際空港
ニース・コート・ダジュール空港
ヨーロッパ随一のリゾート地として知られる、南仏コート・ダジュール。ニース・コート・ダジュール空港は、パリのシャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港に次ぐ、全仏第3位の利用者数を誇ります。
人気の観光地だけあって、空港の設備も充実。ラウンジや手荷物預けサービス、無料Wi-Fiも完備されています。
ターミナル情報
ニース・コート・ダジュール空港のターミナルは2つ。
ターミナル1
ブリティッシュエアウェイズ、ルフトハンザ航空、エミレーツ航空、オーストリア航空などが就航しています。
エルメスやマックスマーラ、ロンシャンなどのブランドショップや、免税店、カフェやレストランもそろっています。
ターミナル2
エールフランス、デルタ航空、フィンエアー、アリタリア航空などが発着します。
エルメス、フェラガモ、マイケルコースといったブランドショップのほか、スターバックスやピエールマルコリーニ、各種レストランや免税店も充実しています。
ニース空港から市内へのアクセス
ニース・コート・ダジュール空港から市内へのアクセスには、トラムや路線バス、タクシー&送迎サービスの利用が便利です。
【おすすめ度☆☆】 トラムで行く
ニースの市内と空港をつなぐトラムは、シャトルバスの代わりとして2019年に運航を開始しました。これに伴い、空港シャトルバスは運航を終了しています。
トラムは空港からJean Médecin(ジャンメドサン)駅までをつないでおり、終点までの所要時間は約30分です。
トラムの運賃は片道1.5ユーロと格安。10枚つづりの「MULTI 10 VOYAGES」は10ユーロなので、何度も乗る予定のある人はこちらを買ってもいいでしょう。
スリや置き引きなども発生してはいるものの、高級リゾート地であるニースは全体的に治安良好。初めて訪れる場合でも、トラムの利用に問題はないでしょう。
ただし、トラムの運行時間は6時から21時台までと、フランスの他都市に比べて短め。早朝便や深夜便に乗る場合は、タクシーや送迎サービスの利用がおすすめです。
【おすすめ度☆☆】 タクシー&空港送迎サービスで行く
到着や出発の時間によっては、タクシーや空港送迎サービスが便利です。
市内まではおよそ20分ほどの道のりで、タクシー料金は定額32ユーロです。ターミナル1および2のゲートを出てすぐのところに、タクシー乗り場があります。
スーツケースひとつごとに1ユーロ弱の追加料金がかかりますので、承知しておきましょう。
【おすすめ度☆】 路線バスで行く
ニース市内へは路線バスで行くこともできますが、トラムと同料金で所要時間もそれほど違わないため、おすすめ度は低くなります。
大きなスーツケースを持っていると乗車拒否されることもありますので、トラムが走っていないときに、少ない荷物で移動する場合の手段として認識しておくといいでしょう。
旧市街へ行くには52番・59番・70番、Nice Ville(ニース・ヴィル)駅方面に行くなら23番のバスを利用します。
ボルドーの国際空港
ボルドー・メリニャック空港
ワインの名産地として有名なボルドー。ワイナリーめぐりの旅に出る人にとって玄関口となるのが、ボルドー・メリニャック空港です。
敷地内には小さなブドウ畑があるなど、降り立った瞬間からワインの名所の雰囲気が楽しめる空港です。
ターミナル情報
ボルドー空港には、2つのターミナルがあります。主要路線が発着するメインターミナルと、格安航空専用の新ターミナル「Billi(ビリ)」です。
ショップやレストランはメインターミナル内のホールA・ホールBに集中しており、ボルドー産のワインや、カヌレなどのお土産を調達することができます。
ボルドー空港から市内へのアクセス
ボルドー・メリニャック空港から市内へ行くには、バスの利用が便利です。
1番の路線バスに乗り、市中心部のMérignac Centre (メリニャック・サントル)駅まで約30分。片道の運賃は1.7ユーロです。ほぼ10分間隔で運行しているので、乗り逃しても心配ありません。
空港と国鉄Saint Jean(サン・ジャン)駅をダイレクトにむすぶシャトルバスもあります。30分~60分間隔で運行されており、所要時間は30分程度、片道運賃は8ユーロです。
タクシーに乗る場合、市内中心部まで約25分・30ユーロで到着します。
主要都市の空港情報を事前にチェックして、スムーズな旅を!
パリや南仏のハブ空港から市内へのアクセス方法をご紹介しました。
土地勘の有無や到着時間、荷物の多さ、周辺の治安などを考慮して、適切な移動手段を選びたいですね。
いずれの交通機関を使うにしても、スリや置き引きにはじゅうぶんに注意し、知らない人からの声掛けなどには応じないようにしてください。
皆さんの旅行が楽しいものになりますように!