フランスの温泉保養地10選
Travel | 2020-07-24
日本人が大好きな温泉。ローマ帝国がヨーロッパを席巻した影響で、フランスでも多くの温泉保養地が生まれました。
ただし、フランスの温泉はもともと医療のためのものと認識されており、娯楽として日常的に楽しむ文化はありませんでした。
近年では、ウインタースポーツの後や、リラクゼーション目的のスパとして温泉を楽しむフランス人も増えています。
今回は、ヴィシーやアンギャンレバンなどの有名保養地をはじめとする、フランス国内の温泉スポットをご紹介します。
# フランスの人気温泉保養地をまとめて紹介!
フランスの温泉は、国土の中央に位置する山岳部や、ピレネー山脈付近に点在しています。
温泉地を探す際には、「レ・バン(「浴場」の意味)」が付いている地名に注目しましょう。
お湯の温度は30度台で、日本人にはぬるく感じられる温泉がほとんどです。
また、場所によっては、温泉施設は医師からの紹介がある患者のみに解放され、一般利用者は温水プールを利用する場合もあります。
## アンギャン・レ・バン 
今回紹介する温泉地の中で、唯一パリ近郊に位置するアンギャン・レ・バン。
パリ北駅から列車で15分ほどで到着できるため、「温泉に行きたいけど、遠方まで旅行するほどではない」というパリ住民におすすめのスポットです。
アンギャン・レ・バンの温泉は硫黄質。懐かしい香りに、日本を思い出してのんびりすること間違いなしです。
温泉施設「Spark Soins Sport & Spa」には、その名も「Onsen」というジャグジー風呂があり、日本人にも人気を博しています。
## ヴィシー 
フランスの温泉地の代表格ともいえるヴィシー。その歴史は長く、紀元前から湯治目的の療養地として記録されています。
オーヴェルニュ火山を源とする、フランス国内では唯一の火山質温泉が特徴。ミネラル豊富なヴィシーの温泉は効能も高く、浴場や温水プールのほか、飲料用の水道も設置されているほどです。
「水の都の女王」という呼び名を受け、カエサルやナポレオンなどの英雄にも愛されてきたヴィシー。公共の温水プールのほか、温泉施設をそなえたホテルも豊富です。
## エクス・レ・バン 
エクスレバンは、アルプス山脈にほど近いブルジェ湖畔にある温泉地。1998年のサッカーワールドキャンプで日本チームがキャンプ地としたことから、富士五湖のような温泉地として知られるようになりました。
最近では、日本の温泉リゾートを参考に、「日本祭り」も開催。豊かな緑と澄んだ空気が魅力的で、本格的なバケーションを楽しみたい人におすすめの温泉地です。
## エビアン・レ・バン 
スイスと国境を接するレマン湖、そのほとりに位置するのがエビアン・レ・バン村です。ミネラルウォーター「エビアン」の産出地としても知られる、風光明媚な高級リゾートで、中でもサミットの会場になった「オテル・ロワイヤル」が有名。
オテル・ロワイヤルの施設である「テルマ・エビアン(エビアン温泉)」は、水着で入る豪華なスパ施設。広々とした温泉で、ゆったりと寛ぐことができます。
レマン湖の眺望を楽しみながら食事ができるレストランなど、温泉以外の施設も充実。フォーマルなホテルですので、相応しい装いで訪れましょう。
## アヴェンヌ 
化粧水の名前でおなじみのアヴェンヌも、温泉の名所です。アヴェンヌ社の創設者・ピエール・ファーブル氏が源泉を買い取り、温泉を活かした化粧品開発の研究所を設立したことから、村全体が大きな研究・療養施設のような様相を呈しています。
アヴェンヌ社が運営する「Les Thermes d'Avène」では、アトピーや火傷治療のほか、ガン治療後のケアなど、様々な治療プログラムなどを実施しています。
気軽にふらっと温泉に入りに行ける保養地ではありませんが、皮膚疾患に悩んでいる人、本格的な温泉療法を求める人にはおすすめの温泉地です。
## コントレックス 
ダイエット効果のあるミネラルウォーターとして一斉を風靡したコントレックス。
その源泉を抱える温泉地コントレックスは、ルイ15世時代からの由緒ある保養地です。温泉水は当時から利尿作用のあることで知られ、今でも痩身効果を期待する人々で賑わいます。
温泉施設「THERMES DE CONTREXEVILLE」では、浴場やスパメニューのほか、食事療法によるダイエットプログラムも提供。泊まり込みで美に磨きをかけるフランス人の姿が見られます。
## ジェノス=ルダンヴィエル 
ウインタースポーツのリゾートとして愛されるピレネー山脈。その麓のジェノス=ルダンヴィエル湖畔にあるのが、バルネア温泉です。
バルネア温泉のユニークな点は、世界各国の名所をテーマにした露天風呂。日本風呂、インカ風呂、マヤ風呂という3種類の屋外浴場があり、冬には雪見風呂も楽しむことができます。
屋内浴場にも窓からの光がふんだんに射し込み、解放的な雰囲気。スパやレストラン、ショップなど、1日過ごしても飽きない充実の設備が整っています。
## サン=ジュリアン 
ピレネー山脈にほど近いサン=ジュリアン村のルーロ温泉。お湯は硫黄質で、筋肉痛などに対する効能が謳われています。
温泉施設は伝統的な木造建築。屋内温水プールとジャグジー、サウナ、ハマムのほか、ウォーターキャノンを備えた屋外プールや泡風呂など、バラエティ豊かな施設が魅力です。
温泉で温まった後は、スパマッサージでスキーやスノーボード後の体をほぐすのもよし。素朴な雰囲気の中でリラックスしたい人におすすめの温泉保養所です。
## フォンペドルーズ 
フォンペドルーズのサン=トマ温泉は、ピレネー山中の標高1000メートル地点に位置する高山温泉。
最大の特徴は、山の斜面に沿って作られた、円形劇場風の露天風呂です。ピレネーの豊かな緑や山並みを望みながら、解放的な雰囲気を満喫できます。
泉質は軽やかで柔らかく、アレルギー性皮膚炎などのトラブルに効能を発揮するとされています。
屋内には大浴場のほか、アロマオイルを使ったスチームバスやサウナ、ジャグジーやスパマッサージサービスを備えています。
## アクス・レ・テルム 
アクス・レ・テルムも、ピレネーのウインターリゾートのひとつです。
街の中心部に位置するクルブレ温泉は、3000m²という広大な面積を誇る大規模温泉施設。大浴場やジャグジー、サウナはもちろん、雪を見ながら楽しめる露天風呂も完備。まさに日本人が求める、完璧な温泉リゾート施設の姿だと言えるでしょう。
スキーやスノーボードは苦手という人でも、温泉目当てに訪れる価値のある保養地です。
# フランスの歴史ある温泉地を満喫しよう
フランスの温泉地の多くは、古くから貴族に愛されたリゾート地。温泉はもちろん、歴史を感じさせる建造物や、保養地ならではののどかな街並みも魅力です。
時間に余裕があれば、ぜひ数日間宿泊して、のんびりと心と体を癒してくださいね。